ジャンル|イラスト・ミステリー・サスペンス

氾濫の家

佐野広実 (講談社)

装画はトウナミさん。

民家で、大学教授の死体が発見された。怪しい男を目撃した隣家の主婦は、強圧的な夫を恐れて警察に証言ができず……。
家父長制の愚かしさと現代社会の闇に切り込む、著者渾身のサスペンス。

テーマが「家父長制」ということで「家」をモチーフに、ただしより内向きの主題なので「家の中」の光景を描くことをご提案。奥で家事をこなしているらしい女性、光と影のコントラストが印象的な階段など、静けさの中に不穏さの漂う装画を仕上げていただきました。
デザインも、わかりやすい怖さを標榜するのではなく、静かにじわじわ怖い雰囲気を目指すことに。端正なのがかえって異様さと圧を感じさせる一冊となりました。
広告ページなど、本文付き物のデザインも担当。