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「百学連環」を読む

山本貴光 (三省堂)

明治初期の思想家・西周の私塾での講義記録「百学(=学術全般)連環」を精読しながら、文化の転換期に当時の知識人が学術全体をどう見ていたかに迫る一冊。「百学連環」とはいわば学術全体のエンサイクロペディアで、当時の西欧学術全体を相互の連関の中で広く見渡してみようという試みだったというところから着想を得て、学術系統図をメインビジュアルに。そこに、西周の直筆の文字を重ねました。
全体的に白を基調とし、無機質で清潔感のあるたたずまいに。用紙の一部にレトロな風合いのものを用いつつ、デザインは比較的モダン路線。その対比で著者の山本貴光さんと西周のコラボレート感を演出。雰囲気を重んじるブックデザインを実現しました。