ジャンル|文芸・イラスト・恋愛

わすれなぐさ

吉屋信子 (河出書房新社)

装画は朝際イコさん。

私、好きな方には非常識に振舞うことにきめたんですもの。
無口な個人主義者・牧子は、美しく我儘なお嬢様・陽子に気に入られる。真面目な優等生・一枝のことを気にしながらも、牧子は陽子の魅力に絡めとられていき……。

3ヶ月連続で吉屋信子の作品を刊行する企画。現代の女性読者を主なターゲットとして設定し、それぞれ主人公格の女性を単体で別々のイラストレーターさんに描いていただく方針を決定。デザインの雰囲気などはある程度寄せつつ、フォーマットを作ってシリーズ感を出すことはせず、作品ごとの魅力を最大限に引き出せる装幀を目指すことに。
女学生の三角関係を描く『わすれなぐさ』では、我儘だがどうしようもなく魅力的なお嬢様・陽子を装画のモチーフに。挑戦的な微笑が、陽子の魔性を際立たせる装画を仕上げていただきました。
帯の色は、わすれなぐさの花の色を連想させる薄紫。カバーのえんじとの色合わせが美しく響き合います。