第8回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。松本清張的な社会派ミステリとハードボイルド的要素が融合した一作。
主な読者層は50~60代の男性と想定。事件の舞台となったアムステルダムの運河と、作中で重要な役割を果すフェルメールの絵画『真珠の耳飾りの少女』をコラージュ。フェルメールの絵をそのまま使うと印象がそちらに引きずられ過ぎるためこのような見せ方になりましたが、それでも鮮烈な視線が感じられます。どこか不穏で重厚感のある一冊です。
koichi sakano,welle design 2012