装画はたけもとあかるさん。
ニケが、皆を狂わせる──。
襲撃され植物状態になった妻の人生は、嘘で塗り固められていた。その背後に幻の像「オリンピアのニケ」が関わっていると気づいた夫は真相を求め、盗まれた美術品をめぐる闇の世界に足を踏み入れる……。
「オリンピアのニケ」の姿をモチーフに、サスペンス・ハードボイルド感を出すためにはどういった見せ方がいいかを検討。たけもとさんからいただいたラフから着想を得て、カバーと帯でイメージの大胆な切り替えを企図することに。
帯がかかった状態ではニケが静かに佇んでいる絵ですが、帯を剥がすと人の欲望を象徴するような手がその美しい羽に迫っており、悍ましさすら感じさせます。
タイトルには金箔を採用。背景の黒とのコントラストで、美しく浮かび上がります。
絵の静謐な魅力を最大限活かすべく、帯のネームは極力絞りつつ、インパクトのあるものに。
本文付き物のレイアウトも担当。手のイメージを何度も繰り返し、少しずつ欲望が迫ってくるのが感じられるようなデザインに。
ジャンル|イラスト・ミステリー・サスペンス・ハードボイルド・ノワール