ジャンル|文芸・イラスト

ブラックボックス

砂川文次 (講談社)

装画は中辻作太朗さん。

ずっと、遠くに行きたかった
コロナ禍の東京、自転車便のメッセンジャーとして生きるサクマ。「ちゃんとしたい」と思いながらも、同じ日々の繰り返しを厭い、怒りの衝動に負け続けてきた男の行き着く先は──。

孤独、恐怖、閉塞感、疎外感をキーワードに、若者カルチャーを意識しながら装幀を検討。雨に濡れながら顔の見えない主人公の姿には、不安定さが感じられます。
雨のようなラインをノイズ的にタイトルに重ねることで、さらなる不穏さを演出。作品に漂う焦りや怒りを装幀でも表現できることを目指しました。