
撮影で怪奇現象が多発する団地に潜入した売れない女優は、向かいのファミレスからこちらを監視するウェイトレスと知り合う。団地中に残る蛇の痕跡、奇行を繰り返す住人たち、10年前の首切り殺人……多くの謎が解けないまま、ギリシャ神話の世界が現実を侵食しはじめ──。
第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞を受賞した、ホラーSF大作。
「団地ホラー」ということで、団地の写真をベースに、蛇やウロコ、ギリシャ神話の要素、こちらを覗く瞳など、作中登場する魅力的な要素をこれでもか、と詰め込んだコラージュビジュアルとなりました。境界の向こう側、世界のレイヤーのずれを意識しています。
タイトルや帯の滲みのある文字がホラー感を助長。不穏さが溢れ出す一冊となりました。





