装画は石黒正数さん。
本自体が「読者への挑戦状」「ビックリ箱」となるようなものにしたい! という編集さんから熱意を持ったご相談をいただいて始動。具体的には、「帯を書籍の上方にかけ、帯を動かすことで変化が起きるだまし絵のような装幀にしたい」というオーダー。
「叙述トリック」から連想される「どんでん返し」「反転」「だまされる」といったキーワードを念頭に置き、よく使われる叙述トリック(人物の取り違い、年齢の取り違いなど)からヒントを得ながら、さまざまに見せ方を検討しました。そのアイディアをもって石黒さんと打ち合わせをし、最終的に何を描いていただくかはお任せしました。完成した装画を見て大興奮した結果、タイトルまわりのデザインも、帯をずらすことを意識したものに。帯の上下動で「アハ体験」が得られる、最高にエキサイティングな装幀が完成しました。
表1ばかりが注目されがちですが、表4にももちろん一仕掛けあり。印刷は、蛍光ピンクと銀を使った贅沢な6色印刷。文字と背景とイラストに質感の差を出すことで、情報を読み取りやすくする狙いがあります。
ぜひ実際お手にとって、帯を動かしてみてください。
※例外的に、サムネールには帯が上にかかった状態のものを使用しています。
ジャンル|イラスト・ミステリー・サスペンス