ジャンル|ミステリー・サスペンス・写真/コラージュ・警察

叶うならば殺してほしい ハイイロノツバサ

古野まほろ (講談社)

火事によって明らかになった、凄惨な女子高生集団監禁事件。生き残った加害少年の「完黙」の理由を探り始めた刑事たちは、事件の裏に潜む残酷な因縁と、少年の悲壮な決意に気づき始める──。
被害者と加害者がオセロのように入れ替わる曖昧さから「灰色」というキーワードが。さらに境目のイメージを持ち、作中でも重要な場所となる「暗い海」の写真を装幀に使うことに。
採用になったのは、強い寂寥感の中にほのかな救いも感じられるようなこちらの写真。繊細な空気感を壊さぬよう、文字情報はすべて白抜きに。
帯もカバーと地続きにし、また表紙や別丁扉にも海のイメージを使って、作品の世界観を補強。