生きてるうちに、ぼくは、ここから逃げたかった。
殺人を疑われた少年が警官の銃を奪って立てこもったのは、子ども食堂。人質となった店主は、子どもたちを守りながら怪物のような少年と対峙するが……。
少年の危険な雰囲気と聖性とが同居するカバーを目指すことに。リアルさ・生々しさを出すために写真装幀を選択し、ビジュアルを捜索。どことなく憂いと危うさを抱えた少年の姿をメインビジュアルに据えました。
タイトルの強さを生かしたデザインを検討。タイトルが大きく帯に食い込むレイアウトとし、その分帯を長帯に。タイトルと帯のネームが互いに侵食し合っているような印象があります。
タイトルにはあえて汚しやかすれを入れ、緊迫感と不安定さを演出。迫力のある装幀となりました。
目次や扉など、本文付き物のレイアウトも担当。黒地に白抜きのデザインには重厚感が。カバーから引き続き、読者にピリッとした緊迫感を抱いてもらったまま物語に誘っているような印象があります。
ジャンル|ミステリー・サスペンス・写真/コラージュ