ジャンル|文芸・イラスト・SF・ファンタジー

本の背骨が最後に残る

斜線堂有紀 (光文社)

装画は佳嶋さん。

本を焼く愉悦を知った人間は、戻れない──。
本に仕立てた人間同士を争わせて楽しむ国、夜毎他人の痛みを引き受けては踊る美しい女たち、自分だけに降り注ぐ涙雨に殺される人々……。
奇想の限りを尽くした、美しく残酷な短編集。

作品の幻想的な世界観を表現できる装幀を目指し、「奇想」「美しさ」「痛み」「残酷」といったキーワードを元にビジュアルを捜索。どこか表題作を連想させる佳嶋さんの作品をお借りすることに。
装画の繊細で残酷な美しさを損なわず、一方で印象的なタイトルをしっかり見せるデザインを検討。装画の一部とタイトルの色調を合わせたことで、上品なまとまりが出ました。
帯も、あまり色数は増やさず、余白と余韻を生かしたデザインとしています。
目次や扉など、本文付き物のデザインも担当しました。装画の要素をふんだんに使わせていただき、装幀との統一感を意識した美しい本文デザインとなりました。