装画は緒賀岳志さん。
ここは、人間にとっての楽園ではない──。
人が住めないおかげで独自の生態系が作られている「固有種の楽園」東硫黄島。調査のため上陸したメンバーが次々に殺害され、さらに島に存在しないはずの外来種が見つかって……。
「孤島もの」「クローズド・サークルもの」であることを装幀で押し出す方針に。島の固有種の姿を大きく、上陸してくる人間たちの姿を遠景に描いた構図で、誰にとっての「楽園」なのか想像がつきやすい装画を仕上げていただきました。
タイトルは帯まで横断するレイアウトに。斜めに傾き調和を忘れた文字列と、赤で強調された「殺人」の言葉が、不穏さを醸し出しています。
「楽園」という言葉の響きから、カバーの紙にはパール感のある新シェルリンを採用。物語との落差を大きく出すという狙いも。
別丁扉や目次など、本文のレイアウトも担当。随所に装画を切り取って使わせていただき、豪華なデザインとなりました。
ジャンル|イラスト・ミステリー・サスペンス