名高い古刹の禅僧である私は、たかが恋のために、今宵、人を殺めるのだ──。
相模国の飯盛女・お初は、三日続けてぬっぺらぼうの僧を夢に見たことに怯え、間夫の勝道と共に江ノ島明神に参詣することに。ところが、江ノ島では稚児ヶ淵の白菊伝説に端を発する僧の身投げが続いており……。
格調高い時代小説という雰囲気の装幀を目指し、登場人物の白菊丸を想起させるような、可憐で清廉な白菊の絵を装画として採用。
帯に掲載したい情報が多いとのことだったので、長帯を前提としたデザインを検討。華やかながら不穏さも感じさせる赤を当てたタイトルを帯にも貫通させ、画面から浮き上がるように。上品ながら外連味も感じさせる装幀となりました。
本文フォーマットの作成、目次や扉、地図のデザインも担当。本作には歌舞伎台本を模した短編が収録されているのですが、その扉は歌舞伎の定式幕を意識したものとしました。
ジャンル|イラスト・ミステリー・サスペンス・時代