ジャンル|イラスト・ミステリー・サスペンス

漂流都市

嶋戸悠祐 (講談社)

装画は柳貞次郎さん。

この街に魅入られた者は、一生ここから逃れることはできない──。
高齢者の移住を積極的に受け入れるK市。街を「支配」する轟家電は、高齢者たちを異様に優遇している。その通常ではあり得ない接客の裏には、恐ろしい謀略が潜んでいた……。

電器屋に支配されたおかしな街が舞台となる話なので、ずばりその異様さを見せる装幀に。街の中心で存在感を放つ轟家電、遠景で煙を吐く焼却場の煙突、昼間なのに薄暗く霞みがかった雰囲気の街を描いてほしい、と柳さんにご依頼。いくつかカラーリングをご提案いただいた中から、店頭での映え方を考えて、寒々とした印象が強くなる青系のものを採用。
装画の特性を鑑み、建物・煙突・煙への視線誘導を殺さないよう、タイトルなどの文字類は絵の周辺部に置くレイアウトを検討。空に浮かんで煙と一緒にたなびくような印象の案が採用となりました。
帯や表紙、見返し、別丁扉には共通して毒々しい赤を使い、作品の不穏さを押し出すようなデザインに。
本文フォーマットの作成、付き物のデザインも担当。