ジャンル|ミステリー・サスペンス・写真/コラージュ

火蛾

古泉迦十 (講談社文庫)

火蛾の無知を、人は嗤えようか──。
12世紀、中近東。修行者・アリーは、年老いた聖者に導かれ《山》へ向かう。そこで彼を待ち受けていたのは、姿を顕さぬ導師と、閉ざされた穹廬で起こる修行者たちの連続殺人だった……。

幻とも言われた伝説のメフィスト賞受賞作が、待望の文庫化。作品の性質を鑑みて、尖ったところやインパクトのある装幀を目指し、何パターンかラフを作成。その中で、静謐さとミステリアスさが共存したこちらの案が採用に。妖しい事件の予感が漂います。
一方、帯はあえてカバーとは逆方向に振り切ってほしい、というリクエストが。メインの惹句の印象をそのまま反映したような書体選び&レイアウト(踊るような)としました。
目次のレイアウトも担当。実はこちら、採用には至らなかったカバーラフのデザインを転用したものです。「唯一無二のイスラム神秘主義本格」らしさを目指したデザイン。