ジャンル|ミステリー・サスペンス・写真/コラージュ

舞台には誰もいない

岩井圭也 (祥伝社)

写真は高倉大輔さん。

舞台初日前日のゲネプロの最中、ステージ上の高揚が最高潮に達した瞬間、前途を期待された女優が奈落に落ちて死んだ。幽霊となった彼女は、関係者たちが自分の死について語り合う様子を眺めるが──。

作品のテーマの一つである「人は誰しも演じずには生きられない」という部分に着目して、ビジュアルを検討。同じ女性が舞台上と客席で見つめ合い、演じ、それを眺める、多面性がインパクト大の高倉大輔さんの作品を装幀にお借りすることに。タイトルとビジュアルに意図的に矛盾を生じさせたことで、謎めいた印象の一冊となりました。
デザインは、カバー・帯ともに細い明朝を使い、繊細かつ上品、けれどどこか緊張感を感じさせるものに。
目次や扉など、本文付き物のデザインも担当しています。