私は私の存在価値を知りたいのだ──

時は大正、「新しい女」で女流作家の母と、病弱だが聡明な娘。
銀幕から現れたような兇賊に襲われた二人は、自ら探偵となり犯人を突き止めようとするが……。

第69回江戸川乱歩賞受賞作。
謎の兇賊ジゴマと主人公の母娘の対決を見せる、
ミステリ感＆エンタメ感のある装幀を目指すことに。
ジゴマを象徴する仮面と母娘のシルエットの対比をメインに、
作中に登場するモチーフをコラージュしてビジュアルを作り上げました。
タイトルは帯まで貫通する形で可能な限り強く見せつつ、長帯とすることで情報量の多さもカバー。
乱歩賞受賞作であること、推薦コメントなど、情報を種類ごとにしっかり切り分けつつ、
そのいずれもが目に飛び込んでくるようなレイアウトを目指しました。

目次や扉など、本文付き物のレイアウトも担当。
タイトルを意識し、鳥の羽を随所にちりばめるデザインに。