「黒い本にしたい」というイメージをいただき、「悪夢」や「穴」「眼」などをモチーフ・テーマにしつつ、いくつかのラフを作成。最終的にこちらの案が採用となりました。鳥籠については、竹籠にして和風なニュアンスを出す、加工して錆の雰囲気を出すなどさまざまに調整を重ねて、この形に辿りつきました。
袖から袖まで白と黒の切り返しが繰り返されるのは、「夢と現」の入れ替わりの見立て。表紙や見返しなどにも同じパターンを適用し、統一感を出しております。
カバー用紙にはキュリアスを採用。ほのかなパール感が美しさを際立たせています。「黒」の出方にこだわって再校までとった結果、スミのしまりが向上し、さらにあやしく綺麗なカバーとなりました。
いつもながら新潮社装幀室の方にはさまざまなアドバイスや細やかなお心遣いをいただき、たいへんお世話になりました。
ジャンル|ミステリー・サスペンス・写真/コラージュ