ジャンル|ミステリー・サスペンス・写真/コラージュ

雷神

道尾秀介 (新潮社)

神様って、ほんとにいるのかな
一本の脅迫電話が過去を蘇らせ、現代で惨劇を引き起こした。
30年前、なぜ母は死んだのか。祭りの日、父は本当に罪を犯したのか。
忌まわしい故郷に戻った姉弟を待ち受ける運命は──。

『龍神の雨 新装版』『風神の手』との同時刊行。三作に内容的な繋がりはないが、「神」三部作としてアピールしていきたいので装幀でなんらかの繋がりを感じさせたい、というオーダー。
「神=運命」のような、人間が意志や努力で介入できないなにか大きなものによって人生を狂わされてしまった人が主人公であるという共通点を軸に見せ方の検討を進めました。
結果、「神=運命」を天候や自然のビジュアルで表現する案が採用に。各巻作品に関係のある絵を背景に敷き、強い文字組で見せるデザイン。「神」の一文字だけを白抜きで扱い、神々しさを演出。さらに、それぞれ本文から抜き出した文章をニスで刷り込むというギミックも採用。
シャープでシンプルながら、切れ味鋭いミステリであることを感じさせるデザインとなりました。
目次や章扉など、本文付き物のデザインも担当。本文には、単行本と同じ写真を使わせていただきました。