ジャンル|ミステリー・サスペンス・写真/コラージュ

風神の手

道尾秀介 (新潮社)

風って、どうやって吹くのかな
ずっと前に吹いた風で引き起こされた、たくさんの哀しい出来事。でも、それらの出来事が、彼/彼女の人生を結びつけた。
遺影専門の写真館「鏡影館」がある町で生まれた謎が、数十年の時を経て解き明かされる──。

『龍神の雨 新装版』『雷神』との同時刊行。三作に内容的な繋がりはないが、「神」三部作としてアピールしていきたいので装幀でなんらかの繋がりを感じさせたい、というオーダー。
「神=運命」のような、人間が意志や努力で介入できないなにか大きなものによって人生を狂わされてしまった人が主人公であるという共通点を軸に見せ方の検討を進めました。
結果、「神=運命」を天候や自然のビジュアルで表現する案が採用に。各巻作品に関係のある絵を背景に敷き、強い文字組で見せるデザイン。「神」の一文字だけを白抜きで扱い、神々しさを演出。さらに、それぞれ本文から抜き出した文章をニスで刷り込むというギミックも採用。
シャープでシンプルながら、切れ味鋭いミステリであることを感じさせるデザインとなりました。
目次や章扉など、本文付き物のデザインも担当。章扉には、それぞれ作品の内容を反映したビジュアルを使用。