装画は奥田まがねさん。
人の心の中で、何よりも恐ろしい感情は、「寂しい」やないやろうか。
かつて千本桜が咲き誇り、人を喰らう鬼がいたという場所に建つ洋館。絢爛豪華な屋敷には、人を狂わせ破滅に誘う鬼が棲む──。
「孤独が人を鬼にする」というのが印象的だったので、館の最初の女主人・桜子を想起させる女性を単体で描いていただくことに。首に絡む鬼の手と、苦しげながらもどこか恍惚とした女性の表情が妖しく印象的です。
タイトルには黄色を当てて、落ち着いた色調の絵から浮かび上がることを意識。