函のデザインはオザワミカさんです。
漫画家・江口寿史の38年にわたるイラストレーションの仕事をほぼすべて網羅した記念碑的な画集。江口先生の画集としては初めて漫画作品関連の扉絵やポスターなどを掲載し、総掲載作品数はおよそ850点と圧巻。
2分冊で、1冊にはイラストレーションのフィールドで描かれた作品を、もう1冊には漫画のフィールドでイラストレーションに寄せて描かれた作品やモノクロの線画、下絵、スケッチなどが収録されています。こちらには幼少期からこれまでを振り返るインタビューと、江口先生憧れのイラストレーター・林静一氏との対談を収録。インタビューと対談の構成も、弊社で担当いたしました。
時間をかけて何度も打ち合わせを行った結果、年代別に絵をまとめ、初期のPANTONEを使ったイラストから、デジタルへの移行期、完全にデジタルで描かれたイラストへ…という流れを見せることを決定。あわせて、漫画寄りの仕事を集めた本(COMIX & MONOCHROME SET)も、年代順に並べて、進化を体感していただけるような構成となることを目指しました。そこからおおまかな台割りを立ててレイアウトを作成しては江口先生に確認していただき、イラストの並びや大小関係まで細かくご指示をいただくという作業を繰り返し、ベストな形の画集ができあがりました。可能な限り大きくイラストを見せられるよう、判型なども含めてこだわっています。
色味についても、極力原画の色に近づけられるよう、印刷所にもご協力いただきながら調整をいたしました。すばらしい原画の数々をお預かりし、直接手に取って拝見できたのは、たいへん貴重な経験となりました。新たに江口先生に彩色いただいた原稿などもあり、できるだけ美しい状態でみなさんにお見せできるよう、心を砕きました。
「KING OF POP」にふさわしいポップさと、38年の画業の集大成という重厚感を共存させられたのではないかなとおもいます。
ジャンル|イラスト・アート・デザイン