ジャンル|ミステリー・サスペンス・写真/コラージュ

四日間家族

川瀬七緒 (KADOKAWA)

あのときこの子を見つけなかったら、今は確実に死んでたね。
集団自殺のために集まった、年齢も性別もバラバラの4人。山の中に捨てられた赤ん坊を保護した彼らは、SNSに「誘拐犯」と名指しする動画をアップされる。この偶然の出会いは、生きることを諦めていた4人の心を変えていき……。

社会の闇に触れる読み応えあるサスペンスだと伝わる装幀にしたい、というオーダー。タイトルの「家族」という言葉の持つイメージと、重い雰囲気の写真との意外な組み合わせで目を惹く装幀を目指すことに。
物語のキーとなる赤ん坊と暗い森とのギャップが印象的。「社会に捨てられた人たち」が主人公だということを見せる装幀に。
語感だけではどこかあたたかい印象もあるタイトルなので、あえて硬めの書体を使って柔らかさを排除。
一方で、帯のネームはどこか希望を感じるもの。そのため、地の色にはピスタチオグリーンをセレクトし、暗くて重い印象にはならないようなデザインに。
全体に重厚感はありつつ、希望の光も見える装幀となりました。
目次など、本文付き物のレイアウトも担当しています。暗い森が、物語の中に誘っているよう。