2018.10.30

「レジェンドノベルス」ロゴおよび各種フォーマットデザイン担当

2018年10月5日に講談社から刊行された新レーベル「レジェンドノベルス」のロゴデザインほか、カバー・帯・表紙といった装幀まわりや本文設計といった、レーベル全体のフォーマットデザインを担当しました。レーベル立ち上げのお仕事に関わったのは初めてのことです。

主に大人の男性を読者ターゲットに想定した新レーベル。「おもしろい書目が揃ったレーベル」というのを一目で認識してもらうためにレーベル感を強く打ち出 しつつ、大人っぽくて電車の中でも読めるようなデザインにしてほしい、というオーダー。レーベル感・シリーズ感を強調すべく、全体的に非常にシンプルなデ ザインとしました。フォントは厳選したものを使用、レイアウト・カラーリングも極力シンプルに。

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※掲載写真のカバー表1は弊社のデザインではありません(以下同)。

 

ロゴについては、「レジェンド」という言葉から直感的にイメージされる「剣」「鍵」を融合させたモチーフと、剣の切っ先で描いたようなエッジが尖ったシャープな形状のロゴタイプを組み合わせたものに。書体はゼロから作り、文字としての完成度より独自性と存在感を出すことを狙いました。モチーフには、遠くからの視認性を高めるためのアイキャッチとしての効果も。カバーや帯などさまざまなシーンでの使用が想定されるため、いくつかのパターンを用意しました。

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装幀のフォーマットで特にこだわったのは、背のデザインです。棚差しされたときにレーベル感を強く出すためには強いフォーマット性が必要だと考え、上部にレーベル全体のテーマカラーである金のラベルとロゴを配置。金を敷くことでロゴスペースと直下のタイトルスペースとが分離されてタイトルが浮き立つと同時に、色面で存在感を放つことも可能だと考えました。

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カバーソデや表4、表紙のフォーマットも同一カラーリングで極力シンプルに。

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本文の各種フォーマットも担当しております。
使用書体は厳選し、明朝とゴシック系の2書体だけで構成しています(それぞれにウエイト設定3種ほど)。

明朝系は漢字・仮名書体に「FOT-筑紫Aオールド明朝 Pr6N 」を、その他約物類には「AP-OTF 秀英明朝 Pr6N」を組み合わせ。筑紫明朝の数字類と約物にはやや癖があり、文芸書には適さない印象があるため、これを丸める意味で秀英明朝のスタンダードなデザインの数字・約物を充てています。

ゴシック系は漢字書体に「A-OTF ゴシックMB101 Pr6N」を、仮名書体に「游ゴシック体初号かな」、約物類には明朝系と同じく「AP-OTF 秀英明朝 Pr6N」と一部に「A-OTF リュウミン Pr6N」を。
ゴシック系の欧文書体には最早「Helvetica」や「Universe」よりもスタンダードと言っても過言ではない「DIN」を組み合わせています。

当然ながらそれぞれ個別にサイズやベースラインの調整を施して読みやすさや運用のしやすさに配慮しています。

明朝系、ゴシック系共に古典的なデザインの「オールドスタイル」を標榜した書体を使用し、読みやすく飽きのこない、そして長い耐久性を誇る本文組みを実現しています。まずは10年後にふり返っても違和感がなければ……。

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書体設定画面の一部(Adobe InDesign CC2014)K_legend_font_A_T_.jpg